桑田佳祐博識大図鑑

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桑田佳祐を超える！

We are the worldのメンバーの中のひとり

スティービーワンダーも未熟児網膜症で失明されてます。




レイチャールズもスティービーワンダーも偉大すぎるほど偉大ですね。

音楽は人を助けると言いますが

私も聴くことで力を貰ってます。

桑田佳祐のーみそコネコネ

2014年大晦日の紅白歌合戦でサザンオールスターズが、自民党政権を揶揄したとして攻撃されていましたが、この時に、桑田佳祐を馬鹿にして長渕剛を褒めたたえて対比させるネトウヨを大勢見かけたので、この二人の因縁って何があったのだっけ？と思い出そうとしていましたが、すっかり忘れていて。
石橋春海の著『封印歌謡大全』という本に、その顛末があったのでそこから紹介しておきます。


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“（前略）歌が得意な猿なのに　高級外車がお出迎え
スーパー・スターになれたのは　世渡り上手と金まかせ（中略）
子供の頃から貧乏で　そのうえ気さくな努力家で
実はすべてが嘘なのに　芝居のセンスにゃたけている（中略）
ＴＶにゃ出ないと言ったのに　ドラマの主役にゃ燃えている（後略）

この曲は、桑田佳祐のソロアルバム『孤独の太陽』収録曲であり、５枚目のソロシングル『祭のあと』のカップリング曲でもある。”



1994年にサザンオールスターズは休止期間に入っていました。桑田佳祐はソロ歌手として、この年の８月に4thシングル『月』を発表して大ヒット。勢いのまま９月に2ndアルバム『孤独の太陽』を発表します。
アルバム『孤独の太陽』に収録された『祭りのあと』がシングルカットされて10月に発売されますが、この『祭りのあと』のカップリング曲が問題となった『すべての歌に懺悔しな！！』。
なので今から20年ほど前の話になります。・・・これも「95年」頃の話になるのか。

“週刊誌が「この曲に登場するスーパー・スターとは、矢沢永吉と長渕剛ではないか」と書き立てたことにより、発売当時、騒動に発展している。
シングルカットされたとはいえ、カップリング曲なのに、なぜマスコミに注目されたのか。それは、キリンのＣＭソングとして使用されていたからだ。”

『すべての歌に懺悔しな！！』はキリンの缶コーヒーのタイアップ曲でした。
で、歌詞で指名されているのは、「矢沢永吉と長渕剛のことだ」と週刊誌が騒いでいたのは、当時、二人がドラマに出演していたからですね。
矢沢永吉は初めての主演ドラマ『アリよさらば』が４月から７月にかけて放映されていました。このドラマに矢沢永吉をキャスティングしてみせたのがドラマを企画した秋元康。しかも、「矢沢の永ちゃん」におどおどした中年の高校教師の役を充てるという、予定調和から外れた、想定外、サプライズなキャスティングでした。とはいえ、その前からサントリーの缶コーヒーのＣＭはありましたが。
一方、長渕剛は、80年代から様々なドラマの主演をしていましたが、初期の頃の『家族ゲーム』などの線の細い役を離れて、88年には『とんぼ』、91年に『しゃぼん玉』、93年に『ＲＵＮ』とアウトローを演じるようになりましたが、こうした中で、数々の暴力事件を実際に引き起こします。またドラマ『ＲＵＮ』の同名主題歌が相田みつをの詩を盗作したものではないか、というスキャンダルが報じられ、謝罪するということもありました。

“この報道が徐々にヒートアップしていくと、桑田は記者会見を開き、異例の釈明。「あの曲は、自分を含めたメジャーシーンにいるミュージシャン全体のことについて歌っている」と発言した。そのうえで「ふたりに誤解を与えたようだ」と素直に謝罪した。”

当時の三人の年齢も確認しておくと、桑田佳祐と長渕剛は38歳で、矢沢永吉は45歳。
桑田佳祐自身も、1990年に監督として映画『稲村ジェーン』を発表するも、映画の出来については酷評を受けていました。
ん、なんか徐々に思い出してきたな。イエロージャーナリズム的なターゲットは、桑田佳佑じゃなく、当時、元おニャン子クラブの女性との不倫スキャンダルも報道されていた長渕剛だったはず。

“桑田からの謝罪を受けた矢沢は「僕はまったく気にしていないが、それより桑田君は大丈夫かな」と、怒るどころか落ち込んでしまった桑田を気遣うという〈大人の対応〉を見せた。
その一方、長渕は、雑誌で「絶対、桑田は許さない」と〈子どもの対応〉を見せている・・・。否、長渕らしい対応なのでファンは「打倒・桑田」と燃え、マスコミをますます喜ばせた。”

すぐに「誤解を与えたなら」申し訳ないと謝罪して、それ以降はマスメディアへの登場を控えた桑田佳祐と、「僕はまったく気にしてないが、桑田くんは大丈夫？」という大人の対応を見せた矢沢永吉に対し、長渕は進んで「ネタ」を提供してしまうのですね。
対立を煽ることで商売のネタにするイエロー・ジャーナリズムは、こうした長渕剛の対応に大喜びで喰いつきます。
思うのですが、90年前後に長渕剛はやくざなどのアウトローのドラマを連続して演じていたところから、本人もファンも虚実の境界が緩んでいたのかもしれません。

そして、「ネタ」のオチはこうつきます。

“が、この大論争、翌1995（平成7）年1月24日に急速に沈静化する。
長渕剛が大麻取締法違反容疑で逮捕されたためだ。それは、まるで『すべての歌に懺悔しな！！』の〈歌詞と同じ〉という、皮肉な結果だった。

儲かる話とクスリにゃ目が無い　バカヤロ様がいる”

1995年1月17日、阪神淡路大震災が発生。全てのマスメディアの眼が震災に向かった、その一週間後、長渕剛は逮捕されます。
これ以降は「95年以後」の日本が始まるのですから、そうしたなかで桑田対長渕という、火の無いところに煙を立てたくだらない騒動は忘れ去られていきました。実際、私もすっかり忘れていましたし。

で、何故、こんな話を書いたのか？です。
私としては他者の過去の失敗を蒸し返すようなことはしたくないのです。ところが、「マスゴミ」という言葉を使いながら、こうしたイエロージャーナリズムを喜ぶ層がいるんですね。もし本当に、長渕剛のファンだ、って言うのなら、この当時の彼の失敗のことなんて蒸し返さないほうが良いと思うんです。
他者の失敗をあげつらうのではなく、ここで最後に紹介したいのは、長渕剛への。
虚実の区別がつかなくなった30歳代から、40歳になるのを契機に始めた肉体改造が彼を安定させたのかもしれません。

とはいえ、そういう身体性というものも、普段から節制を心がけないとすぐに肉体に贅肉が付くのと同様に、常に意識をし続ける必要があるのだろうな、なんて、いまだに数々の弱い立場の人間への、まもなく60歳にもなろうという彼による暴力事件が噂されるのを見ると考えてしまいます。
・・・本当は、肉体に自信を持ったことで立ち直りました、めでたしめでたし、となれば良いんですけどね。必ずしもそうならないのもまた現実。



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リンクしてあるのは、桑田佳祐の「月」。

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