いつものことながら
帰りには1人1本ずつの
さあ、素敵な今日の始まりです
桑田佳祐10曲目はデヴィッド・ボウイの「Starman」です。
ボウイはイングランド出身のミュージシャンで1964年に「ディヴィー・ジョーンズ・アンド・ザ・キング・ビーズ」名義で最初のシングルをリリースしていますが、デヴィッド・ボウイと名乗るようになったのは1966年からです。
「Starman」は1972年4月にシングルとしてリリースされ、1974年のアルバム「ジギー・スターダスト」にも収録されています。
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この曲はUKチャートで最高10位にランクインし、以後11週に渡ってチャートにとどまりました。
アメリカのビルボードでは65位でしたが、フランスで4位、スペインで5位、ヨーロッパチャートで6位など世界中でヒットしボウイを代表する1曲となりました。
ところで、この曲が収録されたアルバム「ジギー・スターダスト」は正式名称を「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars」と言います。
和訳すると「ジギー・スターダストと火星から来た蜘蛛たちの栄光と転落」とでもなりましょうか。
この傑作アルバムはその名の通り、ジギーと彼のバンドSpiders from Marsの栄光と転落を物語るのですが、我々はついZiggy Stardust=Starmanと連想してしまいます。
しかし、ボウイによるとジギーはスターマンではなく、地球上でのスターマンのメッセンジャーに過ぎないとのことです。(1973「Rolling Stone」)
なるほど、ボウイ扮するジギーはスターマンのメッセンジャーとして、キッズたちに「古いロックを捨てろ! 新しいロックを聴け! ブギーで踊ろう! (Let the children loose it Let the children play it Let the children boogie)と呼びかけていたんですね。
この頃のボウイはメイクをして派手な衣装を身にまとい、中性的ともエイリアン的ともとれる異様な外見でロックの既成概念に挑んでいたのです。
ボウイはアルバム毎に音楽性も外見もカメレオンのごとく変化しました。
スペースオディティの耽美的なアコギの調べ、ジギーやアラジンセインのグラムロック、ベルリン時代の前衛性、レッツダンスのコンテンポラリー、アースリングのドウラムンベースなどなど。
そしていずれも傑作であるところにボウイの天才があります。
しかし、カメレオンと聞いてとりあえず浮かぶのが緑色であるようにボウイと聞いてまず浮かぶのが「ジギー・スターダスト」ではないかと思うのです。
カメレオンの基本色が緑色ならボウイの基本色は「ジギー・スターダスト」だった。「『ブラック・スター』でボウイさんが別れを告げた」今、私にはそう思えてならないのです。
この曲から佐橋によるエレキギターを導入し、桑田さんたち一同は立ち上がってプレイします。
Spiders from Marsのギタリスト、ミック・ロンソンがつま弾くきらびやかなグラムロックはエレキなしでは表現できなかったのでしょう。
「Starman」に関してもう一つ。
サビの「Starman waiting in the sky♪」のメロディは「オズの魔法使い」の「Over the Rainbow」がもとになっているそうです。
なぜならStarmanとは地球圏外つまりOver the Rainbow(虹の彼方)の生命体だからだそうです。
なるほど、深いですねえ。ボウイ、さすがですねえ。
「Didn't know what time it was the lights were low
何時だったか分からない ほの暗い頃だった
I leaned back on my radio
僕はのんびりラジオを聴いていた
Some cat was layin' down some rock 'n' roll 'lotta soul,
ロックにはソウルが必要だ
He said
男がそう言っていた
Then the loud sound did seem to fade
それから音が次第に小さくなり
Came back like a slow voice on a wave of phase
電波に乗った間延びした声みたいなのが聴こえてきた
That weren't no D.J. that was hazy cosmic jive
それはDJじゃなく 雑音まじりの宇宙からのメッセージだった
There's a starman waiting in the sky
スターマンが空で待っている
He'd like to come and meet us
僕らに会いたがってるけど
But he thinks he'd blow our minds
驚かせちゃうんじゃないかと思ってる
There's a starman waiting in the sky
スターマンが空で待っている
He's told us not to blow it
彼は言った 驚かないようにって
'Cause he knows it's all worthwhile
だって彼は知っている 会うのが大切だってことを
He told me:
彼は言った
Let the children lose it
キッズたちに古いロックを捨てさせよう
Let the children use it
キッズたちに新しいロックを聴かせよう
Let all the children boogie
キッズたちにブギさせよう」